見えないはずが

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見えないはずが

来店を告げるチャイムが鳴った。深夜3時を回ったところだ。 「いらっしゃいませ」とバックヤードから店内に出た。 店内に客はいない。またかとため息をついた。 このコンビニには店員と客以外もいるらしい。 深夜にチャイムが鳴ったり「すみません」と声が聞こえることがあるけれど、姿を見せない女だから気にするなと言われていた。 バイトを始めて1ヶ月くらいは、怖さと興味が勝っていたが決して姿を見せることはなく、客のひいた合間に声が聞こえたり、チャイムが鳴って作業を中断させられることのほうが苛立つようになった。 「北野さん、あのチャイム女は本当にいるんすか? もしかしてチャイムが鳴るのは風やセンサーの誤反応じゃないんすかね?」
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