遠い夏の日

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遠い夏の日

サイレンがなったのに、俺はそれが自分たちの為にならされたとは思えなかった。 終わりを告げるサイレンなのに涙がでない。 これで、最後だというのに。 無邪気に白球を追いかけたのはいつの頃だろう。 手のマメが潰れるまでバッドを振ったのは何故だろう。 口の中が土の味が広がるくらい泥だらけになったのはどうしてだろう。 あの記憶が夏になるたびに蘇るのは……。
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