灰色の世界

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表に出さないが感情測定器を付けている人を見つけると、(あ、あの人タイラントだ。)など心の中で区別されるが、やはり発症当時と比べれば時間が解決しているようだった。 たとえ正常態でもタイラントでもあからさまな態度をとる者は少なくなっていた。 発症しなければ同じ人間なのだが、一部の人たちの行動や言動によって正常態とタイラントとの見えない深い溝は少しずつ掘り進められていった。 そんな見えているようで見えていない現状が世界で起こっている中、 舞台は日本。 2000年の初めの頃と比べると文化は進歩したが某アニメのようにタイムマシンだとか車が空中を走るとかそんなものが当たり前になっている世の中ではない。 パッと見そんなに劇的に変わっている様子はない今の世の中である。 管理局の日本支部が全国各地に設置されている中で、日本支部本部が置かれているとある街中央区。 その中央区の端の方の街に住んでいて、その地域の高校に通っている一見普通であまり目立たない高校生の話。 その高校生の名前は、波瀬 睦(はせ むつ)。
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