寂れたロボット

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「うん。そうだね。」 そうして二人はそれから楽しく話したり、歩いたり、遊んだりして楽しい日々を送っていた。 そんなある日の事、二人で星の見えない夜空を眺めていた時のことだった。ロクとサンは手を繋いで夜空を見ていた。 「なぁ、サン。俺らって不良品なのか?」 いきなりのロクの質問にサンは驚いて 「なんでだよ。」 「だってさ、あの日から数百年経った今、街の中を歩いても俺たちのいた時代のアンドロイドはいなかった。他の工場を見ても俺たちの型の奴は誰一人としていなかった。もう、この時代に俺たちは不必要な存在なんじゃ無いのかって思うんだ。」 サンはしばらく無言だったが口を開いて 「そうだ。そうだよロク。この時代にとっちゃ俺たちは古びた不良品、化石みたいなもんさ。いるとしたら俺たちをコレクションとして見ていたい奴らだけさ。」 ロク声を荒げて 「それじゃ、それじゃあなんで俺たち生きてんだよ!なんで俺を生き返らせたんだよサン!一人じゃ寂しいとか勝手な理由だとゆるさねぇぞ!そんなんだったら一人で処分場に行ってろ??」 サンは俯いた 「そうだ。俺は寂しかった。数百年一人でいてとても寂しかった。街にも出た。けど当時のじゃ工場用アンドロイドと他のアンドロイドじゃ姿形が違いすぎて差別されるから出なかったんだ。ロクだって知っているだろ。これまでのアンドロイドの歴史において、工場にいるアンドロイドがどんな差別を受けて来たのかを。俺は時には人を恨んだイライラして殴りそうなこともあった。けど、そんな時に師匠の顔が浮かぶんだよ。俺たちにも優しくて俺に人の技術を教えて貰った師匠の顔が。俺はあの人がくれた優しさっていうのを忘れたくなかった。それに、工場の奴らは俺にとったら大切な家族だ。助けたかった。あんな理不尽な死に方をした仲間とまた一緒に話したりしたかったんだ。ずっとお前には謝りたかったよ。こんな俺の理不尽に付き合わせてごめんな。すまない。」 ロクは立ったままサンの顔を見下ろしていた。 「馬鹿。馬鹿野郎。」 「殴るなら好きに殴ってくれ。恨むならいくらでも恨んでくれ。」 「そんなの、そんなの恨めるわけねぇだろ。俺たちは家族なんだよ。
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