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「栞は彼氏いないの?」
「半年前に別れちゃった。でも、こうなる運命なら、別れてて良かった。病気が原因で別れるとか辛すぎるし」
「俺、何にも出来ないけど、愚痴でも何でも聞く事くらいは出来るから。ひとりで抱えきれない時は、いつでも話してよ」
蓮希の正直すぎる慰めは、逆に嘘がないものとして伝わり、私の涙腺をゆるめた。
胸がいたくなるほど、蓮希の優しさが嬉しくて。
病気の自分が悔しくて、悲しくて。
見えない明日が不安で、怖くて。
あふれ出した涙が止まらない。
「栞はひとりじゃないよ?」
そう言って蓮希は、そっと私の手を取って繋ぐ。
その温もりを感じながら、泣き疲れた私は、いつの間にか深い眠りに落ちていた――。
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