立つ鳥跡を濁さず

6/20
前へ
/49ページ
次へ
闘いのかいあって、私の腫瘍は一回の抗がん剤投与で1センチ縮小した。 もしかしたら効かないかもしれないと言われた抗がん剤が、早くも効いたのだ。 私の心に一筋の光が差し込んで、治療を続けようという気持ちになれた。 そしてもう一つ。 虫の知らせだったのか、抗がん剤の効果を実感した日に、蓮希からラインのトークが届いて。 それ以来、蓮希と時々トークのやりとりをしていた。 やりとりと言っても、ほとんどがスタンプで。 それも、笑えるものばかり。 何を話すわけじゃなくても、それは闘病中の私にとって、数少ない癒しのひとつになっていた。
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加