第一章 自我と欲望

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 やっと2人が落ち着いて、まともに会話できるようになると、僕らは これから先のことについて、 昼食を食べながら話し合った。  今日の夕食当番は小春。 いつも通り、安い具材が多く、高い具材が希少な、空の上で食物連鎖を見ているようなカレー。小春のカレーの具材は大振りで、途中で切るのに飽きただろう? と詰問したくなるような大きさのニンジンまで入っている。あからさまに手抜き感があるけれど、悔しいことに美味しくて文句は言えない。 「それじゃあこれから私たちは、 わたりん好みの女に作り変えられていくわけね」 「 猿さん好みの女性になるためには私はどのようなことをしたらいいのでしょうか?」  力なくカレーを食べる二人のつぶやいた。まるで僕はこの二人を誘拐していて、これから監禁生活を強いるぞと落としているかのような発言だ。 「普通に勉強してくれ、 普通に。それだけでいいから」 「猿さんは頭のいい人が好みなんですね?」 「人はないものに憧れるって言うからね」  では是非とも、頭のいい人たちに少しは憧れて欲しいものである。 「悪いけど僕は、少なくとも成績はいいよ」 「でも馬鹿でしょう?」     
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