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「小春の点数は、「わーーー!」点だろ?」
自分の無知を周知させないように、小春は急に大声を上げた。
「ちょっと、うるさいよ、小春。近所の人に迷惑だって」
小春は赤い顔で呼吸を荒くしながら、苦しそうに僕を睨んできた。悔しそうに口を結ぶ姿は可愛い。
「紫藤さんの点数は、ってちょっと待って、紫藤さん、そのフライパンをどうするつもり?」
「猿さんの頭にぶつけてみようかと」
「うん。どうして?」
「猿さんが、他人の尊厳を踏みにじろうとするからです」
「だからって僕の脳漿を飛び散らせていいことにはならないだろ?」
事実を知られて吹き飛ぶような尊厳なんて、大切にしないで欲しいものである。
「どうせろくなことしか考えないんだから、ちょっと後で知らせて減量したら?」
便乗して小春まで人を紫藤さんに味方し始める。
「お前は自分の脂肪を減量してろ。僕は減量の必要を感じない」
脳の容積を減らしたからってそれがダイエットと言えるのか? という疑問も残るし。
「猿さんは、これ以上体重を奪われたら捨て猫にすら同情されそうなくらい、貧相な体つきですもんね」
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