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 ガイはまだ息の上がっているヴァンと沢渡を横目で見てからブースに入り、いつもの訓練を始めました。訓練を始めて3日目に、見る事も訓練だと思って、この悪魔のフロア勤務の上級者、大魔王親衛隊隊員や勇者軍、死神軍の猛者たちの訓練の監察をしました。すると、これからの訓練方法が自然に見えました。ガイはそれを忠実に守っています。そして確認のため、最大級に近いものを一日一回放ちます。最大級といっても思いっ切り撃つわけではありません。何事にも程々というものがあるので、その上限だろうというものを放つのです。『ドォ―――ンッ!!』という大砲のような音が訓練場に響き渡ります。ですがここでは当たり前のことなので、誰も注目するヒトはいません。でも今日は違いました。 「となり、使っちゃおっ!」  いきなり現れたのは、メリスンと同じクラスの死神で最近悪魔になったばかりの天貝水無月という女子生徒です。水無月はすでに死神軍に所属しています。この大魔王のフロアの担当でしたが、死神軍司令官代行の兵頭にスカウトされました。よって、水無月の一日はガイたちよりも厳しい日もあります。 「こんばんは、天貝さん。今日は合流できたね」 「うん! 運動場の方にも参加したいけど、会議が多いから。残念なんだけどね」  水無月はガイの訓練データを見ています。それを参考にして、水無月は訓練を行うのです。 「この大砲は真似できないわ。きっと息切れしちゃう…」  大きなものも撃てるのですが、撃ってしまうと急激な魔力の減少により気を失ってしまうことがあるのです。これをみんなは息切れと呼んでいます。 「そうだね。あのふたりは現実的に息切れしてるから、もったいない時間を過ごしてるよ」  水無月はコロコロと笑っています。このブースに入る前に、その息切れしているふたりにも挨拶はしていたようです。 「でも、意識があるから精神的にタフになっているはずよ。それも修行だわ」     
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