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「ガラッ」
図書室入口の引き戸を開け、誰かが入ってくる度、
「カチカチッ」
交通量調査のアルバイトよろしく、すかさずカウントする。
その日の図書室の利用者数を数え、後で日誌に記入するのだが、端から見れば変だろうなぁと思いながらも篠田美鶴はこの作業が嫌いでは無い。
当番の仕事は昼休みと放課後。
主に貸し出しの手続きや、新聞、雑誌の整理。新刊のコーナーの煽り文句にポップ、簡単ながら補修作業もする。
一冊の本をテーマに取り上げ意見を述べ合う会があったり、文化祭でやったビブリオバトルは委員でない生徒も参加して結構盛り上がった。
もともと部活動を優先させたい人や、3学期になって三年生が登校しなくなった影響で、美鶴の当番の回数は少なくとも週二回はしなければならなくなった。
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