気になる！

１ 当番は見た！

それでも当番の仕事は嫌だと言うわけでは無かった。
ほぼ幽霊部員と化した書道部は差し迫ったイベントはないし、バイトもしていない。

何よりも本が読めるのが嬉しかった。
美鶴は読書好きと言うより、活字好きだった。
目に入って時間を忘れさせてくれる物なら、何でも良い。
新聞、辞書、地図帳、電話帳、取説。
読むと言うよりは、暇潰しなのだという自覚は多いにある。

今時珍しいとは思うが、図書室の貸し出しの手続きはカードに記入する手書きだった。
検索用にこそ端末のパソコンがあったが、利用する人を見たことは無いけれど目録の棚まであった。

システム的には頑固で保守的な感じだが、蔵書は充実していた。
書架に余裕が無くなってきたので、可動式の物が増やされたがそれも危うくなってきたので、書庫を新しく設ける話もあるらしい。

これだけ蔵書が多ければ生徒だけでなく、教師も借りていく事が多かった。