1 当番は見た!

5/8
前へ
/41ページ
次へ
日誌に今日の利用者数、貸し出し数、返却数、気付いた事等を記入し、返却された雑誌をラックに戻した。 もう誰も残ってないであろう静けさと気配だが、それでも念の為美鶴は、一回りして確認して来る事にした。 書架の奥、向こう側まで一つ一つ確認していく。 学校の放課後、人の居ない気配、夕暮れとは言い難い暗さ、何処と無く不安をかき立てる要素は揃っていた。 背の高い書架は圧迫感を覚え、何かが今にも飛び出てきたらどうしようという妄想に駆られる。 今が怪談の似合う夏の季節で無い事だけが、せめてもの救いだと思った。 (……カタ) 確かに、何かの音がした。
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加