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日誌に今日の利用者数、貸し出し数、返却数、気付いた事等を記入し、返却された雑誌をラックに戻した。
もう誰も残ってないであろう静けさと気配だが、それでも念の為美鶴は、一回りして確認して来る事にした。
書架の奥、向こう側まで一つ一つ確認していく。
学校の放課後、人の居ない気配、夕暮れとは言い難い暗さ、何処と無く不安をかき立てる要素は揃っていた。
背の高い書架は圧迫感を覚え、何かが今にも飛び出てきたらどうしようという妄想に駆られる。
今が怪談の似合う夏の季節で無い事だけが、せめてもの救いだと思った。
(……カタ)
確かに、何かの音がした。
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