30人が本棚に入れています
本棚に追加
美鶴にとってはその物音は恐怖心よりも、誰か居たんだというほっとする安心感のほうが何故か強かった。
つかつかと早足で音の主を探し始める。
居ない…、
居ない…、
居ない…、
書架の間を一つ一つ確認していく。
やがて一つ横の通路を挟んで、男子生徒がしゃがみ込んでいる姿が向こうに見えた。
「あの」
良かった。見つかった。
そう思って話し掛けようと一歩踏み出した。
…が、足が止まる。
……え……?
最初のコメントを投稿しよう!