第9章 邂逅の春

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あの夏の日。 どれだけの勇気で。 どれだけの覚悟で。 自分に想いを伝えてくれたのか。 そして、それを受け入れられなかった自分。 なのに。 あの時はだめで、今度はいいだなんて。 きっと-絶対、自分がいなくなってからもの凄く哀しませた。 苦しませてきた。 あんなに長かった緑髪はこんなにも短く。 彼女はああ言っていたけれど切らせたのは-多分、自分。 それなのに、今更? 自分では無理だと、他の誰かがいると、言ったくせに。 突き放したくせに。 今はいる。 いるに決まってる。 顔を合わせる度に泣かせる事しか出来なかった自分と違って、彼女を幸せにする誰かが側に。
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