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にゃあ、と猫が鳴いた。
どうしたの?という少年の声が耳に届く。
「お腹がすいているのかな?」
猫がもう一度鳴く。
「ちょっと待ってね。」
そう言って少年は猫に手に持っていたものすべてを見せた。
鈴、小銭、セミの抜け殻、スーパーボウル、そして飴玉。
どれも猫には食べられない品物ばかり。
いらないと、そっぽを向く猫の様子に少年は困ったように眉を下げがすぐにいいことを思いついたかのように立ち上がった。
「ちょっと待っててね」
パタパタとかけていった少年。
しばらくすると少年は戻ってきた。
にゃあ、と疑問気に猫が鳴く。
「ほら、お食べ。」
差し出されたのはニボシ。
それと少年の顔を交互に見た猫は嬉しそうに、にゃあ、と泣いた。
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