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地方で開業医をしている叔父に頼み込んで、海沿いの会員制高級リゾートホテルの1室をとってもらった。
全室オーシャンビューのスイートルームと言う、一介の勤務医には手の届かない夢の世界がここにある。
自分の部屋よりも広い部屋の、天蓋付きベッドが、ベッドフラワーで彩られている。
それを見た玲奈は「新婚旅行みたいね」と、目を潤ませた。
「今まで寂しい思いをさせてきたお詫びだよ。こんな贅沢はしょっちゅうは無理だけど、玲奈が喜んでくれて嬉しいよ」
照れくさそうな佐々の言葉に、玲奈はやさしいキスをくれた。
今日は、大切な日になる。
水着に着替えて出てきたビーチは、ホテルの建つ湾にあり、回りの海水浴場の喧噪とはかけ離れている。
白い砂浜と、青い海のグラデーションを臨むビーチ沿いに、ホテル専用のパラソルが、適度な間隔で並んでいた。
200mはあるロングビーチは広々としており、宿泊客以外の者は、海からしか湾へ入る方法がないので、実質プライベートビーチだと言っていい。
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