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見渡してみると、砂浜側のパラソルからも、院長への視線がチラホラと。
無理もない。
俳優だって彼と並んだら見劣りしてしまうだろう。
しかも大病院の院長だって知ったら、どんな女でも鼻息が荒くなる。
玲奈もそんな女の一人なのだろうかと、佐々は今朝からのテンションが急降下していくようで寂しい気分にもなる。
自分の不運を歎きつつ、どうか院長に見つかりませんようにと、佐々は、デイベッドの向きを少しだけ変えて、隣のガゼボに背を向けた。
しかしこの向きは、必然的に玲奈の目線が隣の視界に入ってしまうわけで、会話をしながらも玲奈は、院長の姿に目がいっている。
あんな出来すぎの男と比べられるのは分が悪い。
なんだって院長はこんなところに居るんだ?
一人で来ているのか?
それともお供がいるのだろうか?
もし、万一、いやまったく有り得ない話でもないのだけど、恋人の存在が明らかになったなら、それはそれで大スクープだ。
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