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私は大人になった。
澄んだ世界が目の前に広がる。
こんなにも清々しい気持ちになったのはいつぶりだろう。
世間では夏休みという期間らしかった。
公園では子供たちがはしゃいでいる。
私は桜の木陰で涼みながら彼を待っていた。
大好きな彼を。
今日もこの公園の景色を見ながら
語り合うのだ。
彼は臆病だけど、とても優しかった。
私の為なら死んでもいいとさえ言ってくれた。
「だけど、君が死ぬ時に寂しくないよう
僕の方が3秒だけ長生きできるといいなぁ」
と恥ずかしそうに笑ったあの瞬間は一生忘れないと思う。
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