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就職活動中、信州の企業で地元の人を採用したい会社はいくらでもあったけれど、そのまま地元に残り、また月一で皆と集まって居酒屋で騒ぐのは、もう卒業したかった。
親同士も仲がいい為幼馴染みらと、付き合いを悪くするのも親に申し訳ないと思い、私は地元から出る事を決したのだ。
東京北区にあるQ製薬に内定した時は、有頂天だった。私が東京に上京する前は、お別れ会をやってくれたし『またこっちに帰ってきたら、飲もう』と、仲間達は言ってくれた。生温く、うん。と返事はしたけれど、会う事はなかった。
実際、仕事も忙しかった。お盆も帰らなかった。仲間達は『こっちに来て飲もうよ』と、誘ってはくれたものの、私は帰らなかった。
段々彼女らと、距離を作った。ベタベタした人間関係はもう御免だった。
実際東京に来て働いてみると、そこまで心の中まで介入してくる人はいなかった。それもまた、私には心地が良かったのだ。
もう学生ではない。社会人。もう互いにそれぞれ住む地も違う。職種も違う。そうなると、学生時代の友人らとは合わなくなってきて当然。
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