序説

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「そうでしたか。それは携帯電話は手放せないですね。でも運転中は、使用しないで下さい。危ないですし、事故の原因になりますからね」  きっぱりと説教するような口調で言われた。 「……はい。申し訳ありませんでした」  私が悪い。平謝りするしかなかった。その隊員さんは、バイクのサイドボックスから反則告知書を取り出し、書類を手早く作成して行く。お手のものだ。  先輩かと思う白バイ隊員さんは、彼の様子をじっと見ていた。こちらもなかなかのイケメンだった。背が高くスラッとしたスタイル。どうして白バイ隊員の人って、イケメンで背が高い人が多いのだろう。 「携帯電話使用等違反になりまして、二点の減点。九千円の反則金になります」 「えぇっ!?」  思わず、驚きとショックが漏れた。そしてガックリとうな垂れた。そっか、反則金ってそんなに高いんだ。社会人一年生の私にとって、その出費は痛かった。  でも仕方がない。私が悪いんだから……。
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