まずは前世の話を少々

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なかなかファンタジックでそこそこクレイジーな世界でしょ? 僕は、そんな世界のトーキョーという街で産まれ育った。 その時の名前は[水鏡心]。水鏡に写る心という意味だ。 でも正直言って、僕は自分の名前があまり好きじゃなかったよ。 水鏡に心なんて写るわけないじゃん。ばかみたい。 人からはよく、お前には心が無い。何を考えているのか分からなくて気持ち悪いと言われてきた。 そんなの僕だってそうだ。 人の心なんてわからない。 表面上は仲良く振る舞って、心の中では悪意を持って嘲笑っている……僕が友人だと思っていた連中はそういう奴らだったってこと。 ……ま、ようするに生前の僕は人を見る目のない阿呆だったっていう、ただそれだけの話なんだけどね。 本当、他人の心を読む能力でもあれば、もっとうまいこと生きていけたんだろうけれど……なんてね! あはは。 …………。 ……僕の話なんてどうだっていいでしょ? てか、アンタ誰なの? 『おや、まだ名乗っていませんでした? 私はこの宇宙の創造主で、ハンドルネームは“這い寄る混沌”と申します』 ……もしかしてにゃるさま? 『おっ、COCをご存知ですか? それは話が早い! いやー、実は私も先日仲間内でCOCをセッションしてみたんですけどね? 戦闘特化型占い師のPCを作ったらショゴスごときに瞬殺されちゃいましたよ!人間ってマジ脆弱だわww』 へー、神様もTRPGってやるんだ……ていうか、戦闘特化型占い師ってどんなPC? 『皆さん暇をもて余していますからねぇ。 よく卓を囲んでTRPGしているんですよ。あ、ちなみに私はニャル様ではありませんよ? 私がかの架空の邪神様の大ファンだから名前をお借りしているだけです』 ふーん……卓を囲める友達がいて羨ましいよ。 僕もTRPGは好きだったんだけれどね……僕には、もう、そんな友達も居ないから。 『なんと! TRPGがご趣味とは気が合いますねえ! それは丁度良かった。 実はですね、私も最近自作のTRPGを作ってみたんですが、丁度テストプレイをしてくれる人間のPLを探していた所だったんですよ! どうです、水鏡心さん? あなたもPL3としてこのセッションに参加してみては?』 神様が作ったTRPGか……それってどういうゲームなの?
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