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第3話
数日後
「宵、調子はどうだ?」
洗濯物を干している宵に幸村が声をかけた。
「幸村様!とても良くして頂いています」
宵は笑顔で答えた。
「それは良かった。他の女中もお前の手際が良くて作業が効率良く進むと喜んでいたぞ。」
「それは良かったです」
「ところでお前、体の方はどうなんだ?」
「え?」
「全身怪我してたんだろう?」
「あぁ、そうですね、大したことはないですよ。」
「そうか?だがうちにはいい薬師がいるから念のため1度診てもらった方が良いと思ったんだが……」
「そうでしたか……それならお言葉に甘えて念のために後で診てもらいます。薬師様はどこにいらっしゃいますか?」
洗濯物を干し終わった宵は指定された部屋に向かった。
襖を開けると中には12~3歳の女の子がいた。
「何奴!?」
その子は宵をみてとても警戒したように手裏剣を向けた。
「えっ!?」
突然のことに宵も戸惑い、よく分からない謎の構えを取るがそれにはなんの意味もない。
だが少女は余計警戒して宵に向けて手裏剣を投げた。
それは宵の腕を掠めた。
「何してるの?」
宵の背後で男の声がした。
宵はすぐにその声の主に気付いた。
「才蔵様!?」
「え、才蔵!?」
宵と少女は同時に反応した。
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