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「お疲れ」
2人の診察が終わって少しした時、佐助が鈴蘭を訪れた。
「宵と才蔵の具合はどうだった?」
鈴蘭は佐助の来訪に居住まいを正す。
「宵は色んな傷がありましたがほぼ治っていて私が出来ることはありませんでした。すごい回復力です。ですが才蔵の方はまだ傷が塞がりません。毒の気配はありませんがかなり深い傷なので完治にはしばらく時間がかかると思います。」
「そうか………お疲れ様」
佐助は鈴蘭の頭を撫でた。
「鈴蘭、宵のこと………どう思った?」
「宵……ですか?………そうですね……あまり悪い気はしませんでした。…強いて言うなら……予想以上の美人でビックリしました………」
「ははは!面白い感想だな!だがお前がそういうってことは本当に裏なんて無いのかもしれないなぁ……」
佐助は豪快に笑った。
才蔵は屋根の上で日向ぼっこしていた。
「才蔵様」
その背後から宵が現れた。
突然の出現に内心驚きながらもクナイを構えて警戒して平静を装って「何」とぶっきらぼうに言う。
「才蔵様…お怪我をされてるんですか?」
宵は心配そうに首を傾げる。
「あぁ、アイツに聞いたの……ま、大したことないよ。幸村が行けって言うから行ってるだけ。」
「……………才蔵様でもお怪我をされることがあるんですね」
「は?」
「あ、いえ、才蔵様はとてもお強そうに見えたので………」
「あー……まぁ…相手が強かったからね」
「どんな人だったんですか?」
「ん?それはあんたが知る事じゃない」
それ以上は話せない、と言うような拒絶を示した。
「そうですか……」
その拒絶をもろともせず、あっさり頷いた。
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