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数日後
「幸村様」
宵は庭で鍛錬していた幸村に声をかけた。
「なんだ?宵」
幸村は木刀を振る手を止めて宵の方を向く。
「才蔵様が何処にいるかご存知ありませんか?」
「才蔵?あぁ、あいつなら任務で出ているぞ。」
「任務?…才蔵様はお怪我をされてるんですよ?」
「腕の怪我くらいならアイツは任務に出る。昔、全身大怪我を負っても戦で戦おうとしていたからな。」
「………… どうして才蔵様はそこまで任務にこだわるんですか?」
宵は悲しそうな顔をする。
「さぁな……アイツにもアイツなりの考えがあるんだろう。」
「………そう……ですか……でもどうして任務に出るんですか?」
「あぁ。アイツは俺に仕えてる訳じゃなくて里の任務で俺を護衛しているようなものだからな。」
「……………そう…なんですか?」
「あぁ。俺としては護衛なんて必要ない!と言いたい所だが才蔵は刺客や忍からの襲撃を防いだり、間者の摘発したりなどかなり救われてるからな。任務だから、と言っていても居てくれるのは有難い。」
「そう………ですか……幸村様と才蔵様の付き合いは長いんですか?」
「ん?あぁ、まぁな。子供の頃から近くにいる。」
「信頼………されてるんですね…」
「あぁ、もちろんだ。」
その言葉に宵は微笑ましそうに笑う。
「だが安心したな。」
「え?」
「宵のように才蔵を心配する存在が現れて。」
「………そう…ですか?」
「才蔵は忍だから本来人とあまり関わりたがらないんだよ。だからそうそうあいつの身を案じる奴が現れなかったんだよ。そういう奴が現れるってことは必ず才蔵にも何らかの影響がある訳だから楽しみだ。」
幸村は楽しそうに笑った。
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