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「おい、才蔵を探してんのか?」
幸村と別れた宵に佐助が声をかけた。
「はい。でも任務に出てるみたいで……」
「あぁ、そうだな。アイツは俺と違って任務でここにいるからな。」
「あいつと違って………?佐助様は里から任務を受けてないんですか?」
「そりゃな。俺の里は1人の主を決めて仕えるって方針だからな。」
「里が違うんですか?」
「あぁ、知らなかったのか?」
「は……はい。」
「じゃあとりあえず説明するぞ?」
「………………あの…そういうのって…他言しちゃいけない…みたいな掟とかないんですか?」
忍の込み入った事情を聞いていいのか分からなくてとりあえず確認する。
「ん?あぁ、いいのいいの、別にそんな掟とかないし。俺の育った甲賀ってとこはゆるゆるだから。」
「ゆるいんですね………」
「あぁ、俺の里である甲賀は1人の主を決めて仕える。『人につく』って言われてる。そして才蔵の里である伊賀は金さえ払えばどんな仕事でも請け負う。『金につく』って言われてる。うちの甲賀とは違い、家族間の関係が薄く、必要なら家族相手にも刃を向けるだろうな。」
「……………残酷ですね…」
宵は悲しそうに呟いた。
「あぁ、そうかもな。でも才蔵から…いや、伊賀の忍からすればそれが『当然』だからなぁ………」
「当然…………」
「でもまぁ伊賀よりも風魔の方が酷だと思うけどなぁ」
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