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「は?どこが?ただの足でまといでしょ。」
「ははは!見る目が無いなぁ才蔵は。お前世話係とかしてるんだからお前にしか分からないこととかもあるはずだろう?」
「俺にしか………分からないこと?………はっ、ある訳無いね。第一俺は監視対象としてしか見てないから余計な干渉はしていない。」
「はぁ……面白くねぇなぁ…」
「本当だよ、ちょっとは浮いた話とかないかと期待してたのに……」
「浮いた話って………俺とは無縁以上に程遠いね。」
呆れるように笑う。
「あれでも記憶は無くしてて不安とかあるだろうからそれを見抜いて解きほぐすのがお前の仕事だ。」
2人は声を揃えた。
「………………まぁそうだね」
才蔵は宵を見つめて頷いた。
すると宵が3人の方を見た。
才蔵はすぐにその場から姿を消した。
「あいつ…勘が鋭いな…」
「そうだなぁ…」
「青海様、伊佐様、どうされました?」
「ん?何でもねぇよ」
「すっかり人気者だなぁ」
「ふふ……嬉しい限りです!」
無邪気な子供のように遊ぶ宵はどう見ても何かを隠す人間には見えない。
「ホントに………疑ってる才蔵が分かんねぇなぁ……どっからどう見ても無害そのものだろ。」
宵を見て伊佐入道が呟いた。
「まぁ才蔵は疑うのが仕事だからな……才蔵が疑ってくれるから俺達は何も考えず疑わずにいられるんだよ。」
「…………………」
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