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「え………」
気が付くと自分は布団の上で寝かされていた。
「あれ?」
何故こうなったのか…状況がうまく飲み込めなかった。
そんな中、鈴蘭が部屋に入ってきた。
「宵、気が付いたんだ………良かったぁ…」
ホッとしたように微笑みを浮かべる鈴蘭。
「あの……私……」
宵はすぐに上体を起こした。
「どこか痛いとかはない?大丈夫?」
「えぇ、大丈夫。あの…私確か木から落ちて……」
「うん、それを才蔵が抱きとめて助けたらしい。でも宵は意識を失ってて、子供たちもすごい慌てて泣きだした子までいたらしいから、才蔵が宵を城に連れ帰って、入道兄弟は子供たちを落ち着けてから帰るって。」
「そう……………驚かせちゃったな……」
宵は浮かない顔で肩を落とす。
「そんなことより!どう見たって登れないような木に登ったんでしょ!?どうしてそんな無茶したの!?」
すごい剣幕で鈴蘭が怒った。
「え……?」
「子供を助けようとするのは立派だけど宵は自分の危険を省みなさ過ぎる。もうちょっと自分を大事にして!」
「…………自分を……大事に……?」
宵はきょとんとしたような顔をする。
「そうだよ……私を庇って崖から落ちたり…六郎を庇って斬られそうになったり…今回も木から落ちるし…………」
感情が昂って鈴蘭は目に涙を浮かべる。
「鈴蘭………」
宵はそっと鈴蘭を抱きしめる。
「心配かけてごめんね………ありがとう…」
「もう絶対無茶しないでよね……」
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