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宵が廊下を歩いていると背後から声が聞こえた。
「もう寝てなくていいの?」
振り向かなくても声の主は分かる。
「大丈夫ですよ、才蔵様」
振り向くと同時に宵は答える。
「ご迷惑をお掛けしました。」
「わかってるなら無茶しないで。毎回助けなきゃいけないからめんどくさいしいつ危ないことするか分からないから気が気じゃない。」
「………………才蔵様……ひとつお伺いしてもよろしいですか?」
「何」
「どうして才蔵様は私を助けてくださるんですか?貴方は私を監視しているんですよね?」
「………………」
才蔵は呆れたようにため息をついた。
「俺は確かにあんたの監視だけとあんたはもう上田城の一員。あんたが間者だった時あんたを殺すのは俺だけどその時以外はただの女中として扱う。一応俺はあんたの護衛も兼ねてんの。」
「……………ふふ」
宵は急にくすくす笑った。
「何、不愉快。」
「あ……すみません、でも私才蔵様に嫌われてるのかなって思ってたので…」
「俺基本誰かに肩入れすることはないから好き嫌いもない。」
「……そうですか……それは良かったです」
宵は嬉しそうに笑った。
「あんたはなんかよく分からないことばかりするよね。」
「え?」
「突然笑ったり、クナイ向けられてんのに目が綺麗とか変なこと言ったり、突然人を庇ったり………行動が予測出来ない。」
「そんな変人みたいな言い方しなくても……」
「控えめに言っても十分変人だよ、あんたは。」
「えー………」
そう言い合う宵は笑っていて、才蔵も少し楽しそうだった。
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