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「ま、合格でいいでしょう。」
その対応に満足したのか、掛けていたメガネをくいと上げ、立ち上がった。
「さて、私は書類の整理が残っていますので失礼します。」
甚八は大部屋を出ていった。
「私…何か気に触ることを……?」
不安げに宵が聞くと、青海入道が答えた。
「案ずるな、あいつは下戸だから酒が飲めんのだ。それに酒の匂いだけで酔う時もある。故にあいつは酒の席には顔を出さん。」
「なるほど……そうなんですね」
「次に由利鎌之介だ。」
名を呼ばれ、軽く会釈した彼も、六郎同様とても細く、華奢だった。
「鎌之助とお呼びください」
紳士的な態度で柔らかく微笑んだ。
「はい、よろしくお願いします、鎌之助様。」
「で、俺が猿飛佐助だ。」
「おう、俺は甲賀忍の猿飛佐助だ、宜しくな!」
三好兄弟程ではないがそれなりにガタイの良い男が酒を掲げた。
三好兄弟と共に既に何升も飲んでいるようだが酔っている気配は全くない。
「お酒……強いんですね…」
その飲みっぷりはもはや「浴びる」と言う方が正しいだろう。
「あ?まぁなー酒に酔ったことはないなー」
「へ…へぇ…」
物凄い飲みっぷりにもはや何も言えなかった。
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