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「で、次に穴山小助。」
すると、若い青年が立った。
「幸村様の側近をしております、穴山小助と申します。よろしくお願いします。」
礼儀正しく、宵に頭を下げた。
「小助は堅いんだよなー」
とっくりを片手に佐助が笑う。
「貴方が軽すぎるだけなんですよ。」
「えー?俺は普通だぞ?」
「少なくとも普通の人は主に対して敬語を使い、敬う態度を示します。」
「べーつにこれくらいいいだろー?幸村もいいって言ってるし。」
「お前それでも忠臣か………」
小助は呆れるようにため息をついた。
「次に望月六郎。」
「はーい!俺のことは望郎とでも呼んでよ。」
気さくに話しかけた少年は、宵が城に入った時十勇士について説明してくれた子だった。
「わかりました。望郎でいいんですか?」
「そーそー望郎。六郎が二人いるから俺はずっと望郎なの。で、ついでに敬語も要らないよ。」
「え………でも………」
「俺の方が年下だし。それに仲良くしたいしさ。」
もちろーは笑顔で宵に手を指しだす。
「うん!ありがとう」
宵は嬉しそうにその手を握った。
「さて、では私で最後ですか?」
「あぁ、お前で最後だ。」
「分かりました。私は幸村様の側近の筧十蔵です。基本的に書簡の片付けに勤しんでおりますが何かあればなんでも聞いてください。」
「十蔵はバカが付くほど真面目で物知りだからなー。」
「そうそう、何か聞くにも、十蔵教え方上手いから大人気だぜ?」
自慢するように他の十勇士が言った。
「べ……別にそんな大したことではありませんよ!ただ、なんでも知っておいた方が便利だと思っただけで!」
耳を真っ赤にしながら反論した。
だが、それを見て他の十勇士はニヤリと笑う。
そして佐助が宵に耳打ちした。
「十蔵は真面目過ぎて、褒めると耳まで真っ赤にして照れるんだよ、おもしれぇだろ?」
「確かに……」
宵も楽しそうに十蔵を見た。
「さて、真田十勇士全員の紹介が終わったし…飲み明かすぞー!」
「「おーー!!!」」
その場には8人の真田十勇士と幸村、そして宵がいた。
しかし宵は真田十勇士が8人なことが気がかりだった。
気になり、そっと大部屋を抜け出した。
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