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プロローグ
あなたに一目惚れされてしまった。
しかも、映像越しで。
いくら親の言う通りだからって、それはやりすぎだ。
せめて、「付き合いません」とか、「今は結婚したくありません」とか言いたいが、その気はない。
「…………」
やり切れないし、何故かイライラする。
長い髪をくるくると巻きながら、部屋でじっとしている。
ブーブーブー…。
テーブルに置いてあるスマホが鳴った。
「ああ、もぅ」と、電話に出ると…。
「紫織、重要だから聞いてくれ」
父親からだ。
札幌の会社を幾つか経営してる。
「何?」と、その話を聞くと…。
「もうすぐ帰ってくるぞ、イタリアから」
イタリアから"彼"が帰ってくる。
"彼"との物語が今始まろうとしといた。
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