第3章「予想外の猛襲」

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 最悪の状況に対処しようと、脳をフル回転させているところに、 「御崎美鶴。隠れろ」 「ど、どうしたんだ三吉野」 「この足音は危ない。敵意を感じる」  戸惑う僕を教卓の下まで運び、無理やりに詰め込む。  避難訓練をしている気分だ。そういえば不登校な僕にとって、机に潜り込むなんていうのは三年ぶりだな。 「嘉菊、仁神彩月(にがみ さつき)の招集と鳳かざみへの注意喚起。足音は女。ひとりの女がこの教室に来ている。恐らく、(くだん)の女。残り十秒未満で到着」 「嘘だろ!? 中須賀、お前見てこい!」 「はい! わかりました!!」  僕の取り巻きがどよめき、臨戦態勢を取る。  将棋の玉とはこのような気持ちなのだろうか。  もっとも、僕と玉の違うところは、可動域である。  この状態では、ひとマス先にすら移動できない。 「とりあえず、お前にかかってるんだぞ、中須賀。俺はあいつと積極的に話したくないからな」  無能な上司ほど嫌なことを下に押し付けるものである。  とはいっても、不良時代の中須賀は、ランと同期的なポジションだ。  それなりに仲睦まじく足止めしてくれることだろうから、人選的に正しいことも事実だ。  さあ、僕の愉快な仲間たちよ。  僕の身代わりになって、ランを追い返してくれ。
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