第3章「予想外の猛襲」

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 と、思ってから気付いた。  そういえば、美鶴くんの気配がない。  確か、今日は弟さん、中須賀君、三吉野君と三人でお弁当にするって言ってたはず。  ここにいないとしたら図書室かな?  弟さんは教室の中にいるらしいけど、ここからじゃ見えないし。 「ちゃんとした返事ね……あたしが美鶴とどこまでいってるか見せてあげる」  ペラっとしたものをサツキちゃんに突き出す嵐山さん。  小さくてハッキリとはわからないけど、プリクラかな?  目の前に押し付けられた写真に視点を集中させたサツキちゃんは、まるで裸眼じゃ何も見えない人みたいに目を細める。  同時に「んんん?」と声に出しているのが、鑑定団みたいでちょっと面白い。 「ハコフグがどうしたの?」 「これ、美鶴」 「…………」  少しだけ、サツキちゃんの顔が青ざめた気がした。  そして、おもむろにケータイを両手でいじったと思うと、 『あいつ、絶対潰すから』  私のジョイントに物凄く不謹慎な言葉が飛び込んできた。   「どう? これでわかった? あたしは既に美鶴と付き合っているようなものなの」  嵐山さんの声に、身体が固まる。  それってどういうこと?  美鶴くんは、私の事を好きになってくれて、  だけど、それを保留にしたのは他でもない私自身で、    もしかして、美鶴くん……私に嫌気が差しちゃったのかな。  心当たりは沢山ある。もしも、私に伝えてくれた気持ちが本当なんだとしたら、私は彼の気持ちから目を逸らし続けてきたことになるから。  そこに、私なんかよりずっと可愛い子が「付き合ってほしい」って言ったとしたら、絶対にOKしちゃうよ。  だから、美鶴くんは悪くない。  ちゃんと状況は理解できてる。  なのに、どうしてこんなに胸が痛いんだろう。
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