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じゃれあったのは何年ぶりだろうか。
軽い口論になったら、いつもこうやって喧嘩をしていた気がする。
「美鶴がダサいのが悪いんじゃん。なに逆切れしてんの」
「む、ムカついたぞ! 覚悟しろ」
そういって、こちらもランの弱点である脇に触れようとした瞬間、
「ちょっと!」
焦りの感情が混じった声で、動きを制止された。
「胸触ろうとしたでしょ」
同時にありもしない疑念をかけられる。
当然、僕としては抗議するしか手はない。
「いや、僕は脇をくすぐろうとしたんだ」
「お互いもう子供じゃないんだからさ。女子にそういうセクハラみたいなことをするのって……」
「中学の時は気にしなかっただろ。なんで突然こんなことを?」
質問を投げかけると、
「エゴサーチしたらさ、歌とは全然関係ない記事が書かれてたんだよね。彼氏は誰とかバストはいくつとか」
「ああ、確かに大きくなったな。昔は僕の手にすんなり収まるぐらいだったのに……ポトフ!?」
「そういうところ変わらないよね。次やったら本気で殴るよ?」
暴行されたうえに牽制された。
さらに、
「もしかして、鳳さんにもそういうこと言った? キミのおっぱい驚くぐらい大きいね、とか」
「そんな品のないこと、僕は言わない」
言った気がする。
それも初対面のときに、僕の顎がかざみの胸に当たるような事を。
もしもタイムマシンに乗れたなら、一年前の僕をハチの巣にしてやりたい。
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