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「私……どうすれば良かったのかな」
美鶴くんが告白してくれた時点でOKしたら、きっと今のようにはならなかった。
でも、中途半端な気持ちで付き合うのって失礼だと思う。
『かざみちゃん。今日のこと聞いたよ? 色々大変だったね』
携帯が震える音に気が付いて画面を眺めると、アプリの通知画面に桐野さんのメッセージがあることに気付いた。
『ねえ、ちょっとだけ話さない? 夜の八時に近くの本屋さんに集合するような感じでどう?』
『無理に来なくてもいいからね?』
桐野先輩にまで噂が広がってたんだ。
そりゃそうだよね、相手が相手だもん。
『いえ、お話したいです。会って直接』
『そっか! ありがと。じゃあ、よろしくね!』
ドラマに出てくる主人公のOLさんが『ここからが正念場!』と意気込んでいるスタンプが送られてきた。
しかもボイスつき。お金がかかるやつだ。
桐野先輩って意外とミーハーだったりするのかな。
夕方の六時三十分。
ほのかに漂ってきたチーズの匂いが夕飯の時間を知らせてくれていることに気付いて、携帯を置いた。
確か今日のお任せメニューはカルボナーラだったっけ?
うちのカルボナーラは牛乳や生クリームを使わないんだよね。
元々は、この作り方が普通なんだってお爺ちゃんは言ってたけど、私は生クリームを使ったほうが好きだったりする。
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