第4章「繋がり」

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 定休日じゃないときのご飯は、晩御飯というより(まかな)いに近い。  大体がお爺ちゃんの気まぐれメニューだけど、どれも美味しいんだよね。   「かざみ、飯だ」  微かな声が聞こえてきた。  お父さんだ。普段は東京にいるんだけど、しばらくの間はここにいるみたい。 「わかった。今、行くね」  携帯電話を胸ポケットに入れて、食卓の指定席まで歩いていくと、お父さんが指定席でパスタを啜っていた。  お爺ちゃんが見たら怒るだろうなあ。  お父さんの真正面のポジションで着席。  スーツを着てる……普段は小奇麗な私服なのに珍しい。 「かざみ、どうした?」 「あ、ううん。どうして?」 「普段なら私服に着替えているだろう。着替える事を忘れるようなことがあったんじゃないかと思ってな」  鋭い。  お母さん曰く、お父さんは自分への好意以外には敏感だったみたい。  辛い時はすぐにフォローしてくれたけど、告白するまでお母さんの気持ちには気付かなかったんだって。 「親に言えないか……そういう類だな。おれも年を取るわけだ」 「……」 「母さんには少し伝えていて、親父には全然言っていないようだな。賢明な判断だと思う」  お父さんの心を読む攻撃。  私の羞恥心に大ダメージ。 「携帯の振動がした。かざみが家での食事中に携帯を持ち込むのは珍しいな。常に連絡を気にしているのか。相手は交際している相手……あるいは年長者。加治木か?」 「違うよ。八時に先輩と会う約束をしてるんだ」  いつも思うけど本当に鋭い人だなあと思う。  そうじゃなかったら、秋葉原で経営なんてできないんだろうけど。
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