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これ、遠回しに成長してないって言いたいのかな?
でも、未成年の子供に夜の散歩を許可してくれているわけだから、信用されてるって考えた方がいいのかも。
「考えすぎるところも、おれにそっくりだ」
限りなく無表情に近い笑い方をしているお父さんが、パスタをもぐもぐする。
他の人が見ても、私たち親子は似たもの同士なんだと思う。
「もう少し自分の事を認めてやれ。じゃないと、おれがお前の代わりに色々と認めなくちゃいかんことになる。かざみはいい子すぎて困る。我慢しすぎだ。親に安心させるな」
「ふふっ……これ絶対に親が言うことじゃないよ」
「親だ」
「いや、そうじゃなくて……っぷ、あははは! もうダメ限界!」
奇天烈な発言がツボに入って、フォークに巻きつけたパスタを口に入れられない。
そんな私に視線を向けたお父さんの顔は、穏やかな笑顔だった。
恥ずかしがるわけでもなく困るわけでもない、優しげな表情だった。
「大人になれば自由と責任がつきものだ。子供のうちは自由にやれ。やりすぎたら、ちゃんと叱ってやる」
いつも側でいるわけじゃない。
だけどちゃんとお父さんしてるなあって思う。
「そんなこと言ったら、お母さんに怒られちゃうよ? いいの?」
「一緒に怒られてくれ……」
「いや、そこは嘘でも『一緒に怒られてやる』って言ってよ」
「娘にそういう嘘を吐くのは、親としてどうかと思う」
鳳隼人。
私のお父さんは、少しズレてるけど、不器用で優しい人だ。
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