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陽向のお願いに、たじろいだ。
今夜の陽向は、開放感からか、それとも俺の興奮が伝わったのか、早くから息を乱し素直に快感に身を任せている様に見えた。
刺激に身を捩り、白い胸をのけ反らせ、快感を焦らされ華奢な腰を震わせている。そしてこの表情・・・。
陽向の感じている姿は、堪らない。
恥ずかしがり屋の陽向が、桃色の唇から甘い吐息を漏らし、ほっそりとした喉元を晒し、顔を赤くして控えめに喘ぎ声を上げる姿は下半身にクる。
なにより破壊力があるのは、あの大きな目だ。熱に浮かされたように瞳を潤ませ、切なそうに眉を寄せて見上げられると、それだけでゾクゾクと痺れるような快感が押し寄せる。
もっとそんな顔をさせたくて暴走しそうになる自分に、俺はいつも必死でブレーキを掛けている。
男の欲望を目の当りにして、陽向がまたセックスを恐れる気持ちを思い出したら、という懸念が俺自身もなかなか拭えない。
そのくせフットブレーキにエンジンブレーキをフル稼働させなければならない自分の情欲の深さに呆れつつも、このストイックな行為に一種の喜びも見出している。
自分が快感を得ることにまだまだ臆病な陽向を、俺が少しずつ変えていくのだ。
ゆっくりでもいい。いつか全ての怯えが陽向の中から消え去った時、陽向の方からなりふり構わず俺を求めてくれるようになるぐらい。
そしていつかは二人でフルスロットルで疾走できる日が来ると信じていれば、苦行の様な夜も楽しみに変わる。
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