1章-1 同窓会と忘れられた君

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 ネクタイを締めて、姿見で微調整をする。就活や面接に行く時ほどかしこまる必要は無いし、首元は軽く緩めても大丈夫だろう。  時間は8時50分。  早めに起きても、結局いつもと同じ時間になってしまう。  スボンのポケットに財布やスマホにしまった。丁度良い大きさのカバンがなかったから、持ち物は最小限に抑える。最も、必要な持ち物は受付に出すハガキくらいで、他には特になかったはずだ。と、頭の中で確認する。  大丈夫だろう、と自分に言い聞かせ、若干残る不安をかき消したくて、耳にイヤホンをさし家を出た。
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