1章-1 同窓会と忘れられた君

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 「朝ごはんの準備出来てるからね」  そう言うと母はドアを閉めていなくなった。僕はそれを黙って見送った。  なんだか頭がボーッとしていた。なんの理由もなく母が朝食の準備をしてくれていることは無いだろうし、起こしに来ることも無いだろう。普段は寝ている時間だ。そんなこと考えながら、ひとまず居間に向かった。  居間のテーブルには、焼けたトーストが置かれていた。マーガリンが塗られていて、その香ばしい匂いは、そこまで空腹感のなかったはずの俺の食欲をそそった。  定位置に腰を下ろすと、早速それを口に運ぶ。  『昨日行われた各地の成人式では・・・』  テレビでは、昨日行われていた成人式の様子がニュース番組の中で流れていた。
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