*花嫁の衣裳*

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「でも休みに食事に行くのは良いんだよね?」 「それは、…さっきのランチでもういいんじゃ…」 目を合わさずに、しどろもどろで答えた。 「さっきのランチは打ち合わせ。食事が目的じゃないから入らない」 打ち合わせなんて、直ぐに終わったのに…! と思ったけれど、もちろん反論なんて出来ない。 「…分かりました。約束でしたし、私はかまわないですが…」 「かまわないけど何?」 意を決めて、そっと逸らしていた視線を二神さんに戻すと、口を開いた。 「えっと…。定休日とか、そんな貴重でせっかくの休みなのに、私でいいのですか?」 私の問いに二神さんは、片眉だけぴくりと動かした。 わ…! 私やっちゃった?  二神さんを怒らせてしまったかも…。 二神さんはさらにふうっと、重いため息を吐いてしまった。 …どうしよう。やっぱり二神さん、怒ってる。…怖い…。 ライオンに追い詰められた、絶体絶命の小動物の気分だった。息の根を止められる! …と思うほど、この沈黙、苦しい。 さっきからずっと胸はバクついているし、背中はじんわりと汗をかいている。 一度車から飛び降りて、深呼吸したい気分だった。
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