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「…ごめんなさい。私、二神さんとのことどうするか考えるの二の次にしてました。考えてみてって言われてたのに」
「いや。謝るのはこっち。…あの時、どうしても気持ちを伝えずにはいられなかった。急に言われても迷惑だよな」
「…どうしても、ですか?」
恐る恐る尋ねた。
「知って欲しかったから。打ち明けたことに後悔はないよ。だけど、…俺の勝手で振り回してごめん」
申し訳なさそうに微笑まれてしまい、胸がぎゅっと苦しくなった。
「俺のことは二の次で正解。それでいい。こっちもそれを望んで行動していたわけだし。だから、今は目の前の仕事に集中して終わって落ち着いたら改めて考えて欲しい。そのために一度、デートしよう」
胸がトクトクと速くなるにつれて、熱くなっていくのを感じる。
膝の上にずっと置いてあった手を胸に当てる。すうっと息を深く吸った。
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