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いつ、いつから?
二神さんとの出会いは、プレジールでアルバイトし始めてすぐ。私は、二十歳だった。
今年二十三になる私なんて、二神さんからしたら子供に違いない。
ずっと、私の指導係の上司として厳しかったし、数日前まで優しさの欠片もなかった。
私も部下の立場からでしか、二神さんのこと見ていなかった。
…いつから私のことを、恋愛対象として?
まっったく、これっっっぽっちも、キャッチできませんでした…!
「さっきも言ったけど、無理にすぐ結論は出さなくていいよ。ていうか出さないでゆっくり考えてみて欲しい。返事は待つから。今日はもう休んで。色々助かった。明日は仕事ギリギリで出社しないように」
「は、はい。え? あ、はい…」
あっさりとした様子で畳みかけるように言う二神さんに私の方が戸惑ってばかり。
また明日、おやすみ。とまで言われてしまい、私は仕方なく車から降りた。
外はすっかり日も暮れ、夜になっていた。
二神さんは「じゃあ」とだけ言い残し、何事もなかったように帰って行った。
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