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その日の夕方、私は谷脇さんカップルの初の打ち合わせに意気込んで挑んだ。
打ち合わせには二神さんも同席しているけれど、プランの提案や打ち合わせの進行は私が中心にすることでランチした時に確認済み。
よっぽどでない限り、二神さんは口を挟まないで私の横で黙って座っている。
「早速ですが、式の日取りをまず決めましょう」
準備していたウエディングスケジュールの書類を取り出す。六曜が描かれたカレンダーを谷脇さんと桜田さんの前に広げた。
「ご希望は一年後の、大安の日でよろしかったですよね」
「はい。それでお願いします」
新郎になられる谷脇さんは、優しそうでそれでいて真面目そうな人だった。歳も二神さんより上なのを記入してもらったプロフィールを見て知った。
一方桜田さんは私より一個年上。
「あの、…質問いいですか?」
「はい。どうぞ!」
お淑やかで大人しそうな桜田さんは、少し遠慮気味に話しかけてきた。
「…衣装合わせはいつ頃でしょうか?」
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