*突然の訪問*

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「美崎さん…。そんなに慌てて食べなくても…」 私の様子を見て二神さんがくすっと笑った。そして私の顔の方へと手を伸ばしてきた。 「え。え?!」 びっくりして、その手から逃れようと体を逸らしたら、 「逃げたら駄目。じっとして」 小さな子供を叱る様に、二神さんは言った。 言われた通り大人しくしていると、すっと、二神さんの指先が私の唇の端に触れた。 「ツナがついてた。あれ、まだ取れてない」 言いながら顔を近づけられてしまい、驚き過ぎて私はピクリとも動けなくなった。 二神さんの大きな手が私の頬に触れ、顔を固定する。 真剣な瞳で私の唇を見つめ、二神さんのもう片方の手の指先が、優しく私の唇をなぞる様に触れた。 二神さんは視線をすっと上げ、「取れたよ」と、微笑んだ。 どかんっと爆発し、燃えたんじゃないかというくらい、全身が熱い。 …き、き、キス。…されるみたいだった…。 そんなことを想像してしまった自分がとても恥ずかしくて、死にそうだった。
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