*花嫁の衣装*

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「…今日の初回打ち合わせはこれで終わりです。ご自宅にお帰りになってから浮かんだ質問がありましたら、いつでもご遠慮なくご連絡ください」 無事打ち合わせが終わり、皆が席を立つ。 私と二神さんは谷脇さんたちをお見送りするべく、建物の外までついて行く。 「美崎さん、あの…」 私の前を歩いていた桜田さんが急に振り向き、小声で話しかけてきた。 「どうされました?」 私はなんだろ? と思いながらもにこりと微笑みを桜田さんに向けた。 私たちが立ち止まったため、それに気が付いた二神さんも立ち止まる。続いて谷脇さんも。 「あ…。えっと…」 必然的にみんなの視線が桜田さんに注がれる形になってしまった。 それに気が付いた桜田さんは、気まずくなったのか顔を伏せ、口を噤んでしまった。 「…なんでもないです! また次の打ち合わせの時に…」 何かを吹っ切る様に桜田さんは顔をあげると、にこりと微笑んで言った。
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