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「…美崎さん、知ってる? この誕生日サプライズはいつも微妙に趣向が違うの。時には朝だったり、会議中だったり」
「え。そうなのですか!?」
私は隣で耳打ちするよう教えてくれた滝野さんの顔を、目を大きくしながら見た。
「このサプライズ、もう何年も続いているんだけど、なんと最初の発案者は二神さん。今回もだけど、ほとんどの企画、準備は二神さんがしているんだよ」
「えええ!!!」
私は目ん玉が飛び出るんじゃないだろうかと思うほど、さらに目をカッと見開き、滝野さんを見た。
「二神さん…。ただでさえ仕事量半端ないのに…!」
「人を喜ばせるのが好きなんですって。楽しいらしいよ。次はどうやってサプライズしようか考えるのが。前にそんなこと言ってたのよ」
私は照明が点き、明るくなった事務所を見渡した。
二神さんは切り分けたケーキをみんなに配っていた。
「…私、ケーキ配り手伝ってきます!」
滝野さんにそう言い残すと、二神さんの元へと急いで駆けて行った。
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