*薔薇の花言葉*

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「これは…美崎さんのスマホ?」 「…そうです。けど、裏です。スマホケースを見てください」 私はスマホをひっくり返して裏側にし、ケースを見せた。 「…これ。ピエールドロンサール…?」 二神さんはとても驚いた顔を私に披露してくれた。 「はい。これ、私の手作りです。押し花にして、レジンでケースを作ってみました」 私は照れくさくて、少しはにかみながら言葉を続けた。 「私も、このお花を頂いた時、とても嬉しかったです。いつもお客様にしか見せない笑顔を初めて私に向けてくれたので、忘れられなくて…。二神さんから頂いたのも初めてでしたし、そのまま枯れさせたくなくて、それで…」 「それで、手作りしたの?」 「…こんなことされたら、引きますよね…?」 恥ずかしいのを誤魔化す様に、苦笑いを浮かべながら二神さんを見上げた。すると、目が合うなり二神さんはふわりと微笑んだ。
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