*薔薇の花言葉*

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「…美崎さん、楽しんでる?」 猫のぬいぐるみをうっとり見つめていたら、改めて聞かれてしまい、私は顔をあげた。 にこりと微笑み見下ろす二神さんと目が合う。 「…楽しいです」 急に恥ずかしくなってちょっとはにかんでしまった。 「楽しんでくれているならよかった。でも、もっと美崎さんの喜ぶ顔が見たい」 胸がまたトクンと跳ねた。 …そうだった。 二神さんはもともと人を喜ばせるのが好きな人。 私はもらった人形をぎゅっと胸の前で抱きしめると、一歩二神さんに近づいた。 「今日、ここに連れてきてくれて、ありがとうございます」 私なりに、精一杯笑顔を作り二神さんを見上げた。 「…次、行きましょう!」 意識しながら笑顔を向けるって、めちゃくちゃ恥ずかしいですっ! 感謝を伝えようと試みてみたけれど、思った以上にとても難しいことだった。 どうにも耐えられず、すぐに顔を逸らしてしまった。 照れくさいのを誤魔化すように、建物の外へ出る。 そのまま駆け出そうとした瞬間、 「美崎さん、足元!」 二神さんの大きな声が耳に届いた。
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