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「…二神さん、これ、ぽんかんです! でも、さっぱりしてて、すごく美味しいです!」
興奮しながら感動を伝えると、二神さんに優しく微笑まれてしまった。…ちょっと恥ずかしくなり、口を噤む。
でも何口かソフトクリームを口に運んだ後私は、コーヒーの香りを楽しむように、ゆっくり飲む二神さんに尋ねた。
「二神さんって、意外と甘いの好き、とかですか?」
「……なんで?」
一拍置いてから二神さんは、驚いた様子で私を見た。
「だって、ソフトクリームが運ばれてきたとき、見るからに目を輝かせていましたもん。もしかして本当は食べたかったです?」
「まさか! コーヒー飲めれば十分」
二神さんはすぐにいつものような澄まし顔になって、しれっとした顔でコーヒーカップに口を付けた。
「…ねえ二神さん。ソフトクリーム食べて見ませんか?」
ニコッと笑顔で提案すると、二神さんは一瞬目を見開いて私を見た。
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